生きづらい人も、そうでない人にも。
webで読む"ZINE"、ヘッドメディジン。

cinema01 静かなるマニ石 | HEADMEDIZINE
02. NOTE
NOTE

cinema01 静かなるマニ石

2019年4月27日

チベット人監督によるチベット映画。

ལྷིང་འཇགས་ཀྱི་མ་ཎི་རྡོ་འབུམ།-The Silent Holy Stones-

静かなるマニ石

チベットの村にも電気が通り、人々の暮らしも変わりつつあった。今ではチベット僧になる者も減っているという。

この映画では、家族と離れて暮らす見習い僧の少年を中心に、チベットの日常が描かれている。

ストーリー

日々の暮らしと、これからのチベット

見習い僧の少年が修行から帰ると、家にテレビがあり、VHSの最遊記に夢中になる。

少年は寺院にテレビを持って行きたい、自分の先生にどうしても見せたい、と父親に頼む。広い草原の道を馬にテレビを乗せて運ぶ画はとてもシュールだ。

弟が学校で習うのはチベット語ではなく中国語。 中国語の教科書を見た少年は、チベット語は習わないのか弟に尋ねると、「チベット語なんていつ使うの?それよりも中国語を習って街に働きに出るんだ」と答える弟。

変わりゆく暮らしの中でいつかマニ石職人や僧など、チベットの文化や伝統もなくなってしまうのだろうか。 昔から変わらないであろうものと、変わってしまうもの。

少年が寺院まで駆けていくシーンの、からりとした空と砂埃。 「生きている間に徳をたくさん積みなさい」という少年の祖父の言葉。 チベットの人々の生活、文化、家族愛が垣間見える映画だ。

続けていくこと、繋げていくこと

ネパールの山奥の村のチベット仏教の寺院にいったことがある。 自分たちの食べる分のバターを減らしてでも神に供える、信心深いチベット人。 彼らの暮らしが豊かになることがあっても、その美しい伝統や文化は絶えることなく、ずっと続いて繋げて残して欲しい。

Share