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或るOLの生活 vol.2 | HEADMEDIZINE
01. COLMUN
COLUMN

或るOLの生活 vol.2

2019年4月27日

或るOLの東京道中記

羽田空港に着くと、友人が迎えに来てくれた。

兼ねてから行きたかった、三鷹のハイカーズデポに案内してもらい、山道具を楽しく物色し、吉祥寺のキチムで、遅めの昼食。夜は秋葉原で井上涼さんの展示会に行くとなんと本人に会う事が出来た。

翌日は、この初上京の目的であるインターネット番組、

「江頭2時50分のPPPするぞ!」の収録観覧へ。当選が分かり、一週間後の航空券を急いで予約した。

偶然にも番組が始まって9周年目の収録だった。わたしが番組の存在を知り、見始めたのは8年前。

大学時代の卒業制作と就職活動の大きな支えになっていたのは間違いない。エガちゃんを見ると、いつも腹の底から笑う事が出来た。

世田谷区にいる兄の家に泊まり、会場へ向う。渋谷スペイン坂スタジオからはじまり、幾つかの会場を経て、現在は高田馬場のライブハウス、四谷天窓で収録が行われている。

会場前の列に並ぶと、ファン達が初期の番組の話をしていた。実は本人に会うのは4度目。福岡に営業に来た時に見に行った事がある。けれどやはり、生のトークをどうしても聞いてみたかった。

テレビでは聞けない(放送出来ない)エガちゃんの話は、聞き手をぐいぐい引き込んで、盛り上げるのも、笑わせるのも巧い。エガちゃんの芸に対するストイックすぎる真摯な姿勢は最高にかっこいい。

帰りは高田馬場から麻布十番に寄り道。

ところは東京麻布十番、おりしも昼下がり。

はっぴいえんどの、「暗闇坂むささび変化」という曲が好きで、歌の舞台になった暗闇坂は一体どんなところだろうかと胸を弾ませた。

華やかな通りと住宅街をつなぐ暗闇坂。曲の通りの夏真っ盛りの蝉時雨ではなかったが、まだ蝉が鳴いていた。そして「怪しげな雲」も流れていた。

暗闇坂むささび変化を聞きながら麻布十番駅から暗闇坂を往復した。福岡に向かう帰りの飛行機の中、窓の外に広がる雲海がきれいで、ずっと眺めていた。

※フリーペーパーSEROTONiN vol.4(2015年9月)に掲載したコラムです。

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